HOME 構造キーワード(バックナンバー) 『鉄筋の継手』- 鉄筋をつなげる継手 前へ 後へ2008.02

『鉄筋の継手』- 鉄筋をつなげる継手

●機械式継手

機械的に鉄筋をつなぎ合わせる継ぎ手です。あらかじめ高強度モルタルなどを充填した鋼管スリーブ(鋼でできた筒)内に鉄筋を挿入し、充填された高強度モルタルを介して力の伝達を図る継手や、ねじ節鉄筋にスリーブ鋼管内にねじ加工したものに鉄筋を挿入して高強度モルタルをグラウト(どろどろしたモルタルなどを後から注入する)して一体化を図る方法が多く用いられています。(機械式継ぎ手の種類と工法参照)

1.ねじ節鉄筋継手
・トルク固定方式

ねじ節鉄筋とねじ鉄筋を、カプラー(接合金具)を用いて接合し、ナットで締め付けることにより固定する方法です。トルク(締め付ける力)の管理が必要です。

・無機グラウト方式

ねじ節鉄筋とねじ鉄筋を、カプラーを用いて接合し、ナットで締め付けて固定した後、無機グラウトを充填して固定する方法です。基本的にはナットの締め付けトルクの管理が必要ですが、不必要なタイプもあります。また、一部に鉄筋をメタルタッチ(断面同士を平らで隙間なく密着)させることが条件でナットを省略したタイプもあります。ただし、このタイプでもトルク管理とグラウト充填は必要です。

・有機グラウト方式

ねじ節鉄筋とねじ節鉄筋を、カプラーを用いて接合し、エポキシ樹脂などの有機グラウトを充填して固定する継手です。基本的にナットは不必要ですが、施工時の状況によってナットを設ける場合がありますが、トルクの管理は不要なタイプです。

・上記併用方式

ねじ節鉄筋とねじ節鉄筋を、カプラーを用いて接合しますが、片方の鉄筋はねじ節鉄筋とカプラーをナットで締め付けるトルク固定方式で、もう一方は無機または有機グラウトを充填するタイプの継ぎ手です。トルク固定側は工場などで先行して製作し、グラウトで充填する側が現場で施工します。

2.端部ねじ加工継手

異形鉄筋にねじ部を摩擦圧接したものか、異形鉄筋の端部をねじ加工したもの同士をカプラーで接合し、ナットで締め付けることにより固定するタイプの継手です。工場で片側に袋ナットを摩擦圧接したものに、ねじ部を摩擦圧接した鉄筋を現場で締め付けて固定するタイプの継ぎ手もあります。

3.鋼管圧着継手

異形鉄筋と異形鉄筋の継ぎ目にスリーブをかぶせ、特殊なジャッキで圧着し、異形鉄筋の節にスリーブを食い込ませて固定する継ぎ手です。

4.モルタル充填式継手

異形鉄筋とスリーブの間に無収縮モルタルを充填して固定する継手です。

5.併用継手
・ねじ節鉄筋継手+モルタル充填式継手

ねじ節鉄筋とねじ節鉄筋を接合する継ぎ手で、片方がねじ節鉄筋とスリーブをナットで締め付けるトルク固定方式か、グラウトを充填して固定するグラウト方式で、もう一方の接合側がモルタル充填式の継手です。

・鋼管圧着継手+無機グラウト方式

異形鉄筋と異形鉄筋の継手で、一方を鉄筋とスリーブを圧着して固定し、もう一方を無機グラウトで充填して固定するタイプ。

・鋼管圧着継手+接続ボルトによるトルク固定方式

異形鉄筋と異形鉄筋の継手で、鉄筋とめねじが加工されたスリーブを工場で圧着したもの同士を接続ボルトで接続し、ナットで締め付けて固定する方式。接合ボルトの型式は、鉄筋の移動を伴うナットを省いたタイプ、ナット1個の逆ねじタイプ、鉄筋の移動を伴わないナット2個のタイプなどがあります。いずれのタイプも締め付けトルクの管理が必要です。

・クサビ締付方式+無機グラウト方式

カプラーを中ねじに締め付けることにより、異形鉄筋にセットされたクサビが圧着されて固定され、さらに無機グラウトを充填して固定する方式です。

6.その他

これまでにご説明した以外にも下図のようなものもありますが、ご紹介したものが全てではありません。



引用文献,参考文献
1)鉄筋最前線 豊島 光夫著(建築技術)
2)特殊な鉄筋継手 ラピド NO.014 2003年 (日本建築センター)
3)鉄筋継手工法 平成13年 日本構造技術者協会 技術委員会 RC系部会PCa分科会