杭は建物を支えるというたいへん大事な役目を担っている基礎構造物です。昔は「建設の槌音」と言われたように既製コンクリート杭や鋼管杭をハンマーで打ち込んでいたのですが、騒音や振動が昭和40年代の公害問題の一つになり、市街地では工事ができなくなりました。そこで登場したのが騒音や振動が小さくするために、あらかじめ地盤を掘ってから杭を建て込む「埋込み工法」で、プレボーリング工法や中掘り工法を中心にたいへん多くの種類の工法が開発されてきました。特に、最近では高支持力杭工法と呼ばれる支持力が大きく取れる埋込み杭工法が競って開発されています。
また、地盤を掘削して生コンクリートを投入する「場所打ちコンクリート杭工法」は戦前から使われていたのですが、この工法も騒音や振動が小さいため今でも拡底杭を中心に多くの工法が開発されて使われています。さらに、最近になって、鋼管杭を回転して地盤に貫入する「回転貫入工法」が数多く開発されて使われています。
このように、新しい杭基礎工法が数多く開発されており、設計者がその選択に迷うことも少なくありません。そこで、JSCA技術委員会地盤系部会では、2005年7月に、100件以上の杭工法を比較・検討しやすいように同じフォーマットで整理したデータ集を作成しました。それを「杭基礎工法データ集」としてホームページに掲載することにより、構造設計者を中心に広く活用していただいています。
このたび、作成後3年経過し、新しい杭工法も増えていることから、本部会ではデータ集を改定いたしました。旧版よりも幅広く最新の工法を掲載しておりますので、杭工法を選択するときや比較するときに活用してください。
なお、掲載した杭基礎工法は、原則として2007年末までに認定、評定、性能証明、審査証明など公的機関の認証を受けている工法のうち、本資料の作成にご協力いただけた工法です。一般的な打込み工法、セメントミルク工法、中掘り工法などは、支持力算定式が1113号告示等で周知であるため、省略しています。
収集した工法は、一覧表の分類にしたがって整理しました。一覧表の工法名のところをクリックしていただくと、その工法のデータが表示されます。
各工法のデータは、認証を取得した各社に記入していただいたものです。ご協力いただいた関係各社と(社)コンクリートパイル建設技術協会および(社)日本基礎建設協会には深くお礼申し上げます。なお、トーンを合わせるために最低限の修正を行った箇所以外は、内容につきまして責任を負いかねますのでご了承ください。