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就任2年目に向けて

 

2020年6月22日
一般社団法人 日本建築構造技術者協会
会長 常木 康弘

今年に入って、新型コロナウィルスの感染が拡大し、4月には政府より緊急事態宣言が発出されるに至り、社会の活動もそれまでとは一変せざるを得ない状況となっています。人と人との接触機会を減らし、3密を避けるということで、社会では否が応でもテレワークが普及し、JSCAの活動も一堂に会しての委員会は開催が難しく、onlineによる開催などで、なんとか活動を続けている状況となっています。会員の皆様も、この状況下、大変苦労されていることと思います。JSCAとしても、このような社会の変化に順応するだけでなく、変化を生かして、会員相互のコミュニケーションの活性化や、本部と各支部との連携強化などを模索していきたいと考えています。

このような状況下、6月22日の総会では、昨年度の活動の報告と今年度の活動計画が示されました。昨年度は、JSCA法人化30周年記念事業として、“『変革』-建築構造の未来―”をテーマにこれまでの建築構造の変遷を再確認するとともに、今後どのように変わっていくのかについて考え議論しました。新型コロナウィルスの感染拡大により、変革のスピードや内容が昨年度の想定とは変化してきていますが、引き続き考えていかなければなりません。このような大きな変革の時期に、JSCAが社会に貢献しながら活動し続けていくためには、これまでの活動を継続していくだけでなく、環境の変化に積極的に対応していく活動も始める必要があります。一方で、昨年度はJSCAの持続的発展に向けた検討として「JSCA中期ロードマップ」の作成に取り掛かりました。会員数の維持・拡大、収支の黒字を維持、JSCA建築構造士の価値向上などに対する活動方針を検討しましたが、今期はそれらを実行へ移す初年度に当たり、課題解決へ向けて積極的に取り組む必要があります。

今期JSCAでは大きく以下の5項目を重点目標としています。

  • 1)JSCAの持続的発展
  • 2)JSCA建築構造士の地位向上
  • 3)木造建築の普及
  • 4)BIMの普及・推進
  • 5)会員の技術力向上

一つ目のJSCAの持続的発展は、重点目標と言いながらも、数年継続的に掲げている目標です。JSCAは、構造の技術と技量を錬磨し、社会公共の福祉増進に寄与することを目的に創立されています。この目的を達成するためには、JSCAの活動が活発で継続的に行われていることが必要で、比較的若い会員が継続的に入会し活動することが大切です。会員はもとより会員外の若い構造技術者やこれから構造技術者をめざすひとたちにとって魅力的な活動を企画実行していきたいと思います。例えば会員以外でも参加できるアイディアコンペなどのイベントや、若い会員が自分の設計した成果を気軽に発表できる構造デザイン発表会などに力を入れていきます。一方で、今期は新型コロナウィルスの感染拡大により、多くの人が集まって行われるこれらイベントなどは開催が難しくなる可能性があります。そのような場合には、Onlineによる開催など、社会の変化に対応した方法を模索したいと思います。

二つ目は、JSCA建築構造士の地位向上のための活動です。この活動も、ここ数年継続的に重点目標に掲げられてきましたが、明確な成果があがらず、資格保有者は年々減少しています。しかし、JSCA建築構造士のような優れた構造技術者が建物の設計に関与することは、社会の安全・安心にとって大変重要です。そのため、引き続き地位向上へ向けた活動を続けるとともに、さらに、地位向上するために今後の在り方についても検討していきます。

三つ目は、木造建築の普及です。地球の環境問題解決へ向けて、木造建築の普及は社会的課題となっています。JSCAでは、構造技術者としてこれら課題に対して、二つの視点から取り組みたいと思います。一つは、住宅が中心だった日本の木造建築を、非住宅や中・大規模木造建築に広げ、より木質材料の普及を図る活動です。二つ目は、中・大規模ビル型建物において建物全体を木造とすることに拘らず、従来の構造形式を踏襲しながら部分的な木質化を進めることで、木材の使用をさらに増やす取り組みです。会員の皆さんの積極的な参加を期待します。

四つめは、昨年度から取り組み始めたBIMの推進・普及です。昨年度はJSCAとしての活動を国土交通省が組織した「建築BIM推進会議」において生かし、国の施策の中にも一部反映させることができました。今期は、その活動をJSCA会員の皆さんとともに実用化させ、建築の設計品質の向上、効率化につなげ、働き方改革の一助にしたいと思います。

最後に、JSCAでは会員の設計・監理技術の向上のために、スキルアップセミナー、技術委員会の技術報告会、講習会など、実務者にとって有益な活動を継続的に行っていきます。これら活動を引き続き継続していくとともに、地震後の建物の機能維持に向けた構造技術者からの提案として、2017年に公表したJSCA性能設計【耐震性能編】の適用範囲拡大や設計手法の簡易化などの検討を行い普及させていきたいと思います。


新型コロナウィルス感染拡大は、昨年度の記念イベントで想定した変革を一層促進することが想定されます。私たち構造技術者がこの環境変化に積極的に向き合い、『変革』の中にあってこれからの構造技術者がそしてJSCAが進むべき方向性について考えていきたいと思います。

JSCAが今後も社会の期待に応えて発展していくために、会員の皆様と共に活動していきます。


※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。

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