JSCA会長
常木 康弘
Yasuhiro Tsuneki
新年明けましておめでとうございます。
2023年も新型コロナウィルス感染症拡大の状況の中での年明けとなりました。しかし、昨年までとは違い、世の中もただただ自粛しているばかりではなく、新型コロナウィルス感染症と共存しながらも前に進もうという意思を感じられるようになりました。昨年は、「新型コロナ感染症拡大のマイナスの面を克服し、With/Afterコロナ時代のJSCAがさらに発展していけるよう活動する」ことを目指していましたが、今年は、克服より一歩進んでプラスにしていこうという決意のもとスタートしたいと思います。
まず、JSCAで昨年行われた取り組みで今年に繋げたい取り組みをいくつか挙げてみます。一つ目は、何度も延期された「構造デザイン発表会2021in沖縄」を6月に大成功裏に開催することができました。300人ほどの方々が一堂に会して活発な意見交換を行うことができ、さらに、プラスに転じる試みとして、会場にて参加できなかった会員の皆さんや参加はしたが一部の発表しか聞けなかった参加者のために、JSCAとして初めてオンデマンド配信を行い、大変多くの方に視聴いただきました。二つ目は、支部の活動として西日本4支部(関西、中国、四国、九州支部)交流会が行われました。Webを利用した新たな試みとして今後の支部活動の活性化に可能性を感じさせるものです。その他、中期ロードマップで検討された活動として、structure電子ブック化、新人技術者・学生向けの建築巡りツアー「見学会in石川」、「構造設計一級建築士講習 修了考査問題と解答例講習会」なども実現しました。今年につながる取り組みとしてさらに発展させていきたいと思います。
今年は、JSCA活動の活性化と運営安定化のために、中期ロードマップの計画をさらに加速をつけて実行していきます。まず、2022年度中にホームページを使いやすいものへ一新します。見やすく、検索しやすく、会員以外の一般の方にもわかりやすいものへ生まれ変わります。その他、「建築申請時の困りごと相談箱」の実施、アイデアコンペの実施、構造デザイン発表会のオンデマンド配信の恒久化、べからず集の発行など中期ロードマップで検討した事業を実施していきます。昨年実施した企画についても、さらなる改善を図りながら継続していきます。それによって、会員サービスの向上、新規会員の開拓を図り、JSCAの活動の活性化と運営の安定を図りたいと思います。
また、昨年加速したWeb配信による本部活動の全国会員への展開、支部間の連携、支部会員同士の交流など、コロナ禍という逆境によって急激に発展した通信環境によって実現した活動をさらに推し進めていきたいと思います。本部で行っている企画を、日本全国どこにいる会員の方でも参加できる、各支部で行っている素晴らしい企画が支部内でとどまらず、他支部の会員にも情報共有できる、そして全国のJSCA会員の活動がどの支部にいても同じようにわかる、参加できる、そんな体制を目指していきたいと思います。
この他、今年度の重点目標である、SDGs達成へ向けての活動、BIMの普及へ向けた基盤つくりの活動も、担当する委員会を中心に精力的に行っています。
SDGs達成へ向けての活動では、中大規模木造建築の構造設計に係る情報整備として「Q&A」の作製、中大規模木造プログラム開発支援、木造関連企業との交流活性化、JSCA性能設計【耐震性能編】の公開・普及に取り組んでいます。これら活動を通して、CO2排出削減へ向行けて木材活用の増進、建物の安全・安心、長寿命化へ向けて性能設計の普及を図っていきます。
BIMの普及へ向けた基盤つくりの活動では、構造用のBIMデータ連携用の仕様である「STBridge」をより便利に利用できるようなツールの開発、構造技術者のBIMスキル向上のための講習会の開催など今後BIMが普及するための助けとなる活動に取り組んでいます。
JSCAでは、新型コロナ感染症拡大のマイナスをプラスに変えて、With/Afterコロナ時代のJSCAがさらに会員および社会の役に立ち発展していけるよう活動していきます。
※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。