ホーム JSCAの紹介2021年年頭あいさつ

2021年年頭あいさつ

 

2021年1月5日
一般社団法人 日本建築構造技術者協会
会長 常木 康弘

会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。新年に当たって、昨年を振り返り新たな年へ向けての抱負を申し述べたいと思います。

昨年は、年初から感染が確認され始めたCOVID-19の感染拡大によって、4月には緊急事態宣言が発出され、人の動きが一変しました。3密を避けるために、テレワークが推奨され、建設業界でも設計の業務に携わる人の多くがテレワークを取り入れました。働き方の多様化が進み、今までなかなか進まなかった働き方改革も進み始めた感があります。施工関係者は現場での作業が中心となるという性質上、在宅勤務は難しい状況でありますが、感染予防対策を講じながらの業務遂行になりました。その過程の中では、ITの利用が進み、建設業界全体の仕事のやり方に変化が見られ始めています。

JSCAでも、当初は事務局、会員ともテレワークに慣れておらず、活動も停滞しがちでしたが、その後、対面とWEB会議の併用など、工夫を凝らして活動を再開し、現在はほとんどの本部の各委員会の活動はほぼ支障なくおこなわれる状況になりました。JSCA賞受賞者の記念講演会も、総会後の開催はかないませんでしたが、11月16日にオンラインでの開催が実現しました。非常に多くの会員の方々が楽しみにしている企画の一つで、約450名の会員の方々に参加いただき好評でした。一方で、昨年予定されていた、会員はじめ多くの人が集まる構造デザイン発表会やアイディアコンペは、今年に延期せざるを得ない状況となりました。


さて、年も改まって2021年ですが、まだまだ、COVID-19は収束しておらず、Withコロナの時代にあってもJSCAが活動できる体制を整えていきたいと思います。

一昨年来検討してきました中期ロードマップは、本来昨年の総会でご報告して活動を始める予定でしたが、COVID-19の影響で策定が遅れてしまいました。昨年の10月の運営会議で承認を頂き、ようやくロードマップに従って活動を始めることになりました。HPにも公開され、Structure1月号でも紹介させていただきます。中期ロードマップ策定のきっかけは、会員数の減少、高齢化と収支の悪化が顕著になり、今のまま何の対策も講じなければJSCAが今後とも活動を続け社会に貢献していくことができなくなるという危機感でした。その危機感を共有し、検討を重ねた結果、会員数の維持・拡大、収支の黒字化の維持、JSCA建築構造士の価値向上についてそれぞれ目標を定め、さらに、その目標を達成するための実行計画策定までのロードマップを作成しました。今年は、実質的にこの中期ロードマップを実行に移す初年になります。全会員のみなさまの一致団結した協力が必要です。他人事としてではなく、自分のこととしてとらえ一緒に目標達成へ向けて活動していきましょう。


今期JSCAでは大きく以下の5項目を重点目標としています。

  • 1)JSCAの持続的発展
  • 2)JSCA建築構造士の地位向上
  • 3)木造建築の普及
  • 4)BIMの普及・推進
  • 5)会員の技術力向上

COVID-19の感染拡大が続く中、活動が制限され目標達成が厳しいものもありますが、各委員会を中心に活動を続けています。

JSCAの持続的発展のための活動は、今期は計画していた主要なイベントが中止、延期に追い込まれています。今年度中に開催できるイベントは限られていますが、昨年11月16日に開催されたJSCA賞受賞者の記念講演会を皮切りに、今年度内にシンポジウム 「構造デザイン その32【JSCA賞を語る】」、技術委員会の技術報告会(3月開催予定)、さらに、6月の総会までにはシンポジウム 「構造デザイン その33」も計画されています。今までは、このようなイベントは東京で開催されることが多く、支部の方々には参加いただくのが難しかったのですが、ONLINE開催とすることで、支部の方々にも参加いただくことが可能となりました。また、参加人数も500人まで参加可能で、希望する方はほとんど参加できる状況が作れるのではないかと思います。今後は、顔を合わせて議論し親睦を深めるためのイベントは、感染症対策を十分に行いながら慎重に開催し、情報発信を主体とするイベントにはONLINE開催を積極的に取り入れ、Withコロナの時代でもJSCAの活動を活発にしていきたいと思います。

JSCA建築構造士の地位向上のための活動は、認定試験も定期講習会も中止になり、新たな構造士の方を迎えることできませんでした。JSCA建築構造士のような優れた構造技術者が建物の設計に関与することは、社会の安全・安心にとって大変重要です。今年は、感染症対策に十分に配慮しながら、認定試験も定期講習会も開催し、例年の活動に戻したいと考えています。

木造建築の普及は、技術委員会と地球環境問題委員会が中心となって活動しています。「JSCA版木構造の設計」は今年度中に改訂版が出版予定です。地球環境問題委員会を中心にまとめていただいている「中大規模ビル型建物への木材活用に関する提言」も、年度内には公表の予定です。木材の使用を増やすことは、持続的な社会を作っていくために構造技術者ができる取り組みの柱になるものだと思います。これからも、積極的に取り組んでいきたいと思います。

BIMの推進・普及は、国土交通省が組織した「建築BIM推進会議」において、国の施策の中にも一部反映させることができましたが、その活動内容を、一般のWEBページにも掲載するとともに建築専門誌でも紹介し、JSCA会員だけでなく広く社会へ発信しました。また、「解析ツール」「設計BIM」「施工BIM」等で共通に利用できる構造躯体のデータ仕様を定めることで、異なるソフト、異なるフェーズで利用されているデータの相互受け渡しを可能とし、設計から施工まで使えるBIMを目指して活動しています。

最後に、JSCAでは会員の設計・監理技術の向上のための活動は、スキルアップセミナー、講習会など今年度は中止せざるを得ない状況となっています。来年度へ向けてONLINE開催などを積極的に検討していきたいと思います。また、2017年に公表したJSCA性能設計【耐震性能編】は、中低層建物へ適用範囲を拡大し、今年夏ごろには公開したいと考えています。これにより、耐震性能に関する性能設計はほとんどの建物に適用可能となるため、さらなる普及を図りたいと考えています。


今年は、COVID-19の感染拡大が続く中での年明けとなりました。JSCAの活動も様々な制約の中で行うことになると思います。しかし、Withコロナの時代にあってもいかにして活動を活発に行うか、様々な新たな試みをしながら考えていきたいと思います。


最後に、Withコロナの時代にあっても、JSCAが社会の期待に応えて発展していく事とともに、会員の皆様のご健勝を祈念して2021年の年頭のあいさつとさせていただきます。


※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。

ホーム JSCAの紹介2021年年頭あいさつ
PAGETOP