委員長 | 新谷 眞人 | (株)オーク構造設計 |
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委 員 | 梅野 岳 岡田 章 佐藤 淳 竹内 徹 丹野 吉雄 千葉 学 桝田 洋子 |
久米設計 日本大学 佐藤淳構造設計事務所 東京工業大学 (株)竹中工務店 東京大学 (有)桃李舎 |
人々の間では記憶の彼方に消えかかっている姉歯事件が引き起こした社会的混乱は、建設生産とりわけ構造設計に対する法的な整備、実務に関わる技術規定と資格制度の強化によって収拾がなされてきた。この間JSCAも会員に対する技量の向上と資格の取得を強く求めることによって、構造技術者の職能の社会的認知と法的立場を確立すべく活動してきた。このことは、将来本協会が、他の歴史ある職能団体のように、社会に対して確たる職能団体として存続するための前提である。JSCA賞の選考過程においても作品などの評価に当たり、応募者の技量と資格に関して厳正な審査を行った。
近年の建設活動の低迷あるいは法運用の厳格化にあって今回は例年よりやや多い作品の応募があった。応募作品は応募辞退と追加応募が一点ずつあり、最終の応募作品数は以下の通りとなった。
応募作品に対し、現地あるいはヒアリング審査対象作品が、前年度の第3回委員会(2009年12月21日)において選考された。審査対象となった作品を以下に挙げる。
現地審査およびヒアリング審査日は6日間になり、以下の通りである。
JSCA賞授賞対象作品は第4回委員会(2010年4月9日)における審議において、選考された。審査経過および結果について報告する。
初めに作品賞の候補作品を、現地・ヒアリング審査の順にプレゼンテーション時のスライドによって内容を再確認しながら、審議を行なった。次に全委員の合意の下で委員各自に2回の投票権を与え、棄権は認めないものとして表決を行った。丹野委員は作品4が自社物件であるので、それ以外の作品に投票した。表決の結果、作品4はほぼ全委員の得票を得た。作品3、作品1は過半数に近いほぼ同数の得票を得た。この結果から作品賞に3点を選ぶことにより、新人賞、業績賞からも受賞に相応しい作品が選ばれた場合は授賞すべき作品数が過多となる恐れがある。
そこで次に新人賞の選考を行った。選考過程は作品賞と同じく、プレゼンテーション時の資料などで作品を再確認した後討議を行い、新人賞応募の作品1を選考した。
作品賞応募の作品3、作品1と新人賞応募の作品1の、三つの作品に関して討議を重ね新人賞を選考した。結果として、新人賞を1点、作品賞を1点、授賞対象作品として選定した。
業績賞も他の賞と同様な過程を経た後、応募された業績が賞に相応しいことに全委員が合意した。
今回の授賞対象作品として、以上の審査経過を経て、次の応募作品および業績が選定された。
受賞には至らなかったものの応募を頂いた設計者に厚くお礼申し上げると共に、今後も再度、JSCA賞に挑戦されることを期待したいと思う。
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※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。