建物がとても古い場合、床が傾斜している、壁に亀裂がある、柱などが腐朽している、シロアリの被害がある、など、耐震性を低下させる、いろいろな建物部位の劣化が生じてきます。精密な耐震診断を行うと、耐震評価が著しく低いケースとなることもよくあります。
耐震診断で、補強が必要と判定されたけれども、補強設計をすると耐震補強工事費が新築と変わらない、などという笑えない話も聞こえてきます。また、そもそも、補強工事が可能かどうかも心配になるようなこともありそうです。
でも、木造住宅はさまざまな不具合があっても、治す技術がいろいろ有ります。直に解体して新築を考えるだけでなく、継続使用の可能性も検討しましょう。耐震補強により木造住宅の寿命を延ばす事は、環境を考える上で有意義な事です。耐震補強工事には、必ず内外装工事がともないますので、リフォームを行うタイミングにあわせて耐震工事を行えば無駄もないでしょう。まずは、建築構造士や耐震診断を行った建築士に相談してみるのもよいかもしれません。
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図6-1 水周りの腐朽 | |
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図6-2 土台・柱の蟻害 | 図6-3 腐朽や蟻害の箇所を新しく取り替える |
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※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。