ホーム 建築構造を理解するために 特集木造住宅の耐震診断・補強

[まとめ] 耐震診断・補強とJSCA構造技術者の関り

 

近年は東海地震など大都市地震に対する関心も高まっていますが、耐震設計・耐震診断・補強設計は非常に高い専門性と総合的な判断力を必要としますので、構造の専門家でなければ判断できない分野です。

単に建築士というだけでは、責任ある構造設計を行うことは困難です。規模の小さい木造の戸建住宅では、費用の関係もあり意匠設計者がすべての設計を行っていますが、近年は「意匠」「構造」「設備」「電気」「施工」など個別分野の専門家が設計に関与する必要性が増してきています。

1981年以前の旧耐震基準により設計された建物についても耐震性のバラツキが大きいことが指摘されています。大地震時における減災という観点からも、耐震診断を行い、補強が必要となれば耐震補強を進めていく必要があるでしょう。

特に、今まで構造専門の設計者がほとんど関与しなかった木造住宅では、構造的な知識が極めて希薄な者が、安易に改修を行える状況にあり安全性に問題が生じています。また、リフォーム詐欺など社会的問題を引起しています。これからは高度な判断力を必要とする診断・改修ばかりでなく新築においても、構造設計者が木造住宅の設計や監理に関っていく必要があると痛感しております。

国内唯一の建築構造設計の専門家集団であるJSCAでは、独自に建築構造士制度を設けています。この建築構造士は高度な構造の専門知識を有しており、新築の構造設計や監理は勿論のこと、耐震診断や補強設計も行います。最新のJSCA活動方針のなかには、「耐震診断・補強が適切に行われるように、そしてこの分野にも会員の社会的な認知を高めるために活動する」ことが目標のひとつとなっています。

一般消費者の皆様には、ぜひ構造設計の重要性と職能を理解して頂き、より安全で安心な建物を求められるよう、JSCAとしても協力をしてゆきたいと考えております。


JSCA資格問題WG

 監理とは、設計どおりに施工されていることを確認することで、設計責任を全うするためには重要な業務です。もちろん、費用も発生します。

※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。

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