■ 確認申請の手続きの流れ
手続きの流れにそって構造設計に関係する部分のみ説明します。
(1)設計図書の作成
- 確認申請において必要な図書が大幅に増加しました。
意匠設計、設備設計、構造設計との情報交換を綿密に行い、それぞれの設計図書の厳密な整合性確保が必要です。そのために、設計に多くの図書と時間が必要になります。
- 「構造計算によって建築物の安全性を確かめた旨の証明書」が新設されました。
構造設計者の存在と責任を明確にします。
(2)確認申請
確認申請期間 最長70日
- 確認審査の方法が定められ、各審査機関での独自の判断は許されなくなります。
- 確認審査にかかる期間は最長35日、適合性判定が必要な場合にはさらに最長35日かかり、合計で最長70日が必要となります。実際は事務手続きや指摘事項のやりとりなどにより、それ以上の期間になる場合もあります。
- 確認受理後の設計図書の差し替えや変更は認められず、変更する場合は再度確認申請を出し直しとなります。
(3)構造計算適合性判定
適合性判定期間 最長35日
- 今回の基準法改正で新設されました。
- 建物の規模や設計方法により適合性判定の要否が決められています。
- 確認審査機関の審査を補うため、構造設計の専門家(適合性判定員)によるチェックを義務付け、構造設計の法に対する適合性を第三者の視点により確認します。
- 構造計画、モデル化、構造計算の妥当性について確認します。
- 構造計算に使用するプログラムがいわゆる「(大臣)認定プログラム」と「非認定プログラム」に区別され、認定プログラムを使用する場合は判定期間が14日短縮されます。ただ、当分の間は認定プログラムは存在しません。
- 不適合の場合は差し戻しとなり、確認申請を再度提出することになります。
(4)確認済証
- 建築主は確認済証の交付を受けなければ工事を始めることができません。
(5)工事着工
- 工事着工とは根切り工事または杭工事により建築物の一部の工事にとりかかった時点を言い、資材搬入、整地、縄張り、工事事務所建設等の仮説工事、資材加工作業は含みません。
(6)計画変更確認
- 確認後にやむを得ず計画を変更する場合は、再度、建築確認申請を行わなくてはなりません。
- (1)設計図書の作成に戻って図書作成から確認申請へと、初回同様の手続きが必要となります。
- 変更手続きの間は工事がストップとなる可能性があります。
(7)中間検査
- 建物の用途や規模により中間検査が法律で義務付けられました。
- 工事中の建物が建築確認通りに進められていることを確認します。主に構造体のチェックを確認審査機関が行います。
- 検査中に重大な指摘があった場合は、再度、建築確認をうけなければなりません。
(8)完了検査
- 工事監理状況の確認などを通じて、実際に工事された建物が建築確認時の設計図書通りに施工されたかを確認審査機関が厳しくチェックします。
- 計画変更確認の手続きを怠った場合、厳しい罰則があります。
※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。
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