我々が生活をしている地面の下を略図で表すと図―1と図ー2のようになります。
我々の乗っている固い地面は、このマントルの上に乗った、冷えた硬い層で、厚さは薄いところで5~7kmあります。 地球の半径6000kmから比べると非常に薄いものです。 この薄い層は、一枚岩ではなく、幾つもに分かれていて、それぞれがマントルの対流によって少しずつ動いています。 例えば太平洋の東、アメリカ大陸のすぐ近くにマントルの上昇しているところがあり、西のはずれ、日本のすぐ東側で、 そのマントルが沈み込んでいます。日本自体は別の地層に乗っていて、その下に太平洋からの地層が沈み込んでいると考えてください。 (沈み込んでいるところは日本海溝といい、深さ200Mの大陸棚から急に深さが10000mと深くなっています。) このマントルの動きにあわせて、太平洋の下の地面は年に約2cmづつ西に向かって動いていきます。 ハワイがだんだん日本に近づいてきているのです。
コレは、沈み込む板により上に乗った板が引きずり込まれますが、暫らくすると弾力があるためもとの状態に戻り、 又引きずられてはもとに戻る現象です。 この、暫らく引きずられて元に戻る現象が、いろいろある地震の一つです。 (図の地震①です。日本列島の東側の海の底で時々大きい地震が起きますが、たいていこのタイプの地震です。) 又、太平洋の東から押す力で、日本の乗っている板が押され、地面にある割れ目(断層)のところで地面がずれる事があります。 ずれた時に発生する振動も地震の一つです。(図の地震②です。神戸の地震はこの例で、野島断層が1.2mもずれました。)
図-3は、地球規模で見た地震発生記録です。 地震は線状に分布しており、何処で表面の薄く硬い層がマントル内に沈み込んでいるかがわかりましょう。
図-4は世界のプレートの概略図です。日本は太平洋のプレートと大陸のプレートさらに南からのフィリッピンプレートと呼ばれるプレートに取り囲まれ、
地震王国となっているのがおわかりいただけると思います。
参考図書は、日本規格協会発行の「第一線の設計者が語る耐震設計」です。 図-3はそこからの拝借ですが、図-3・4とも以下にあります。 * 1 国立天文台編:理科年表平成14年版、丸善 |
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