「鉄筋コンクリート構造」の主要な部材の一つである「鉄筋」について、その歴史と製造方法、製品の見分け方などについてご説明します。
「鉄筋コンクリート構造」は、コンクリートの引張り力に弱いという欠点を補う役割を「鉄筋」に期待した複合構造です。最近は柱や梁の中の鉄筋の太さや本数などについての話題が一般の新聞などに掲載されることが多いので、読者もそうした記事を見たことがあるかもしれません。「鉄筋」は形や素材、強度などでいろいろな種類があり、「鉄筋コンクリート構造」の発達とともに大きく変遷してきました。
日本で建物に鉄筋が使用されはじめたのは明治後半以降で1894年(明治27年)建設の海軍省の建物(鉄筋レンガ造3階建て)の基礎にアメリカより輸入した角型異形鋼を利用していたそうです。当時、国内で鉄筋は製造されておらず、すべて輸入していました。国内での製造は1901年(明治34年)に、八幡製鉄所(現新日本製鐵(株))ではじまります。鉄筋コンクリート造の建物が建設されるのはそれより後の1904年(明治37年)佐世保にあるポンプ小屋と言われています。大正期には色々な形状の鉄筋が輸入されています。(図1)
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