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『鉄筋』- 鉄筋コンクリートに使われる鉄筋

 

鉄筋の製造方法とかたち

鉄筋は、鉄スクラップなどを主原料とし電気炉で熔解→炉外精錬炉→連続鋳造→加熱・圧延の各工程を連続しておこなう設備で製造されています。加熱・圧延の工程で、丸鋼と異形棒鋼という大きく分けて2種類の形状に作り分けられます。丸鋼は、文字の通り丸い棒状のかたちですが、異形棒鋼は、コンクリートと一体化しやすいように、鉄筋の横からみた形状が、はしご形などに見えるでこぼこした形状をしています。

電気炉 炉外精錬炉 連続鋳造機
電気炉   炉外精錬炉   連続鋳造機
棒鋼圧延 異形棒鋼
圧延機   横節(竹節)異形鉄筋
ねじ節鉄筋
写1 製造工程と最近多く見られる鉄筋形状

製造工場で製造された鉄筋は最終使用目的に合わせて、「直物」と呼ばれるまっすぐなものか、長いコイル状になった状態で出荷されます。「直物」は道路交通法の制約で日本国内では最大長12mとなります。工場で製造された鉄筋は、通常、建物の工事方法などに合わせて、長さを調整したり折り曲げ加工をする工場に運び、所定の加工をしたうえで工事現場に運ばれています。

構造物に用いられる鉄筋

鉄筋コンクリート構造に使用する鉄筋には、日本工業規格(JIS)規定があります。JISでは、熱間圧延という方法で作られた丸鋼及び異形棒鋼について、下表のような丸鋼(2種類)異形棒鋼(5種類)を鉄筋コンクリート用棒鋼として規定しています。

表1 種類を区別する表示方法
種別 記号の種類 種類を区別する方法
圧延マークによる表示 識別塗色による表示
丸鋼 SR245
SR295
適用しない 赤(片断面)
白(片断面)
異形鋼棒 SD295A
SD295B
SD345
SD390
SD490
圧延マークなし
1または|
突起の数1(●)
突起の数2(●●)
突起の数3(●●●)
適用しない
白(片断面)
黄(片断面)
緑(片断面)
青(片断面)

※掲載された記事は執筆当時の法令・技術情報に準拠して執筆されています。ご留意ください。

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